まずはトラブルを防止する
生前贈与の活用
トラブルを予防するために効果的な方法の一つが、生前贈与です。
生前贈与は生きているうちに自分の意思を明確にするという意味では遺言と同じ効果がありますが、遺言と異なるのは、ご自分の財産を実際に与えるという行為を伴うことです。
贈与者本人は自分の意思で与える事を確実にすることができ、また贈与時点においてその理由や気持ちを直に伝えることも可能ですし、それを受けた人も、感謝の気持ちを直接伝えることができます。
生前贈与をすると、贈与税の課税が課題となりますが、基礎控除や相続時精算課税制度などを利用することでその課題をクリアすることもできます。
遺言の効用
そもそも相続財産は、遺言者本人の物です。
生きている間はご自分が自由に処分できたはずですし、ご自分の死後、財産を誰にどの位譲るかも、遺言者の自由です。
ですから遺言は、遺言者の最終意思として最大限度に尊重され、その意思が明確な場合は、相続人はその意思に従って財産の分配を受ける事になります。
相続人は遺言者の意思に反する財産争いをすることはできないはずです。
遺言ではご自分の意思にて財産の配分等ができますが、遺言には方式や要式に規定があります。
法的な不備があると遺言が無効になってしまい、遺言をする意味がありません。
また、財産の内容やそれをどのように分割できるかや、遺留分への配慮などについては、事前にご理解した上でないと逆効果になりかねません。
ある相続人に多く相続させたい場合には、その相続人に相続させる旨の内容と、付言事項でその配分をした理由や心情を記載した遺言を残されることをお薦めします。
この記事の執筆者
- REAX司法書士法人 代表 平子 剣士
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保有資格 司法書士、不動産鑑定士、宅地建物取引士 専門分野 相続全般、不動産領域 経歴 大学卒業後、都内司法書士法人にて、金融機関、不動産会社、各士業事務所等からの依頼による不動産登記業務に従事。
司法書士業務従事中に不動産鑑定士試験合格。
その後、世界最大手の事業用不動産会社(シービーアールイー株式会社)にて、J-REIT、不動産ファンド、金融機関等からの依頼による鑑定評価・コンサルティング業務に従事し、その後独立。
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