親亡き後に、障がいを持つ子供の生活を保障してほしい
民事信託(家族信託)を活用したケースその1:親亡き後に、障がいを持つ子供の生活を保障してほしい
Aさんには、妻Bさんとの間に障がいのある一人息子Cさんがいます。
Aさんは自分と妻Bさんがなくなった後に、自分の資産を息子であるCさんに譲りたいと考えていますが、Cさんは自分で財産を管理する能力がありません。
そのため、Aさんは自分とBさんの死後、判断能力のないCさんが遺産を適切に活用してその後の生活をしていけるか心配です。
CさんがAさんの遺産を相続した後に、遺産を適切に活用して生活をしていくにはどうすればよいのでしょうか。
民事信託を活用した解決例
Aさんは信頼できる親戚のDさんと信託契約を締結し、Aさんの財産をDさんへ信託します。
信託契約の内容として、Aさんが生存している間はAさんを受益者(預けられた財産から得られる利益を受け取る人)に設定し、預けた財産を必要に応じて受け取ります。
また、Aさんがなくなった場合の受益者を妻Bさんに設定しておきます。
これでAさんがなくなった後にBさんが残された場合、Bさんが信託していた財産を必要に応じて親戚Dさんから受け取ることができます。
そして、AさんとBさんの死後は息子Cさんが受益者になるように設定しておきます。
これでCさんが残された際に、Cさんは必要に応じてDさんから財産を受け取ることができます。
このようにAさんとDさんで信託契約を結んでおくことで、AさんとBさんの死亡後も、Cさんの財産を信頼できるDさんに管理してもらうこともできます。
なお、親戚であるDさんには、財産管理のお礼として月額等で信託報酬を信託財産から支払うことも可能です。
この記事の執筆者
- REAX司法書士法人 代表 平子 剣士
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保有資格 司法書士、不動産鑑定士、宅地建物取引士 専門分野 相続全般、不動産領域 経歴 大学卒業後、都内司法書士法人にて、金融機関、不動産会社、各士業事務所等からの依頼による不動産登記業務に従事。
司法書士業務従事中に不動産鑑定士試験合格。
その後、世界最大手の事業用不動産会社(シービーアールイー株式会社)にて、J-REIT、不動産ファンド、金融機関等からの依頼による鑑定評価・コンサルティング業務に従事し、その後独立。
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